Beyoncé『Beyoncé』

ビヨンセが12/13に事前の予告なしで、5作目『Beyoncé』をiTunes Storeで世界同時発売しました。

今作はリリース後、iTunes Storeの最高記録となる3日間で80万ダウンロードを達成したことでも話題になり、彼女自身にとって5作続けてのNo.1ヒットも達成。

また本作は、ビジュアルアルバムという形態になっており、オーディオ14曲にビデオ17曲、デジタル・ブックレット付属とデジタル・リリースに最適化された形で配信されているのも面白いところです。

異色なプロモーション戦略で注目度の高い作品となりましたが、ただアルバムの内容はというと、序盤から重い雰囲気が続き、耳に残るようなキャッチーな曲が無いため、イマイチ印象薄い感じでしょうか。

アルバムのリリース後に「XO」、夫のジェイ・Zと共演した「Drunk In Love」のビデオが公開されていますが、今回はあまりシングル・カットは考えていないのかもしれませんね。

まぁ今作は、ビヨンセというトップ・アーティストがリリース形態を大きく変えてきたことで、今後のパッケージ流通を左右するかもしれないという意味で、興味深い作品にはなったことでしょう。

Various Artists『Crossroads Guitar Festival 2013』

エリック・クラプトンが、2004年から行っている麻薬中毒患者を救済するためのチャリティ・コンサート、その第4弾となる『Crossroads Guitar Festival 2013』が映像作品としてリリースされました。

今回は2013/4/12~2013/4/13に渡って、NYのマディソン・スクエア・ガーデンで行われており、Disc1は1日目、Disc2は2日目の演奏から抜粋された形となっています。

本作はまずクラプトンの代表曲のひとつである「Tears In Heaven」から、椅子に座った状態でシットリと落ち着いたスタート。

あまりライヴでは演奏されない曲ですが、ここではスカ風のアレンジで、オリジナルより若干ファンキーな印象を与えていますね。

その後もブッカー・Tロバート・クレイなど大御所のラインナップが並び、しばらくいぶし銀のプレイが続きます。

ただベテラン勢の演奏は、良く言えば安定感のあるプレイですが、悪く言えばサプライズが無くて退屈な印象を受けます。

そんな中、Disc1でキラリと光るのが、ジョン・メイヤーキース・アーバンが共演した「Don’t Let Me Down」で、出演者の中では若手(?)とも言える2人が白熱のギター・バトルを繰り広げてくれるのが目を引くところです。

Disc2に入ると、こちらはオープニングの「Congo Square」で、サニー・ランドレスデレク・トラックス(オールマン・ブラザーズ・バンド)の熱いスライド・プレイ対決から始まります。

他にもヴィンス・ギルアルバート・リーの「I Ain’t Living Long Like This」や、タジ・マハールケヴ・モの「Walkin’ Blues」「Driving Duck Blues」など、面白い共演が多いですね。

そして終盤には、ジェフ・ベックキース・リチャーズ(ザ・ローリング・ストーンズ)、ロビー・ロバートソン(ザ・バンド)など、大物が続きます。

ここはさすがに各自、圧巻のプレイで魅入ってしまいますが、特にキース・リチャーズの登場は事前にアナウンスされていなかったようで、観客の驚きの表情が印象的ですね。

まぁ全体を通すと、2時間48分の中でやや間延びした感じも否めませんが、それも含めてフェスらしく、ダラっと観るぐらいがちょうど良い作品ではないでしょうか。

Eric Clapton『Give Me Strength The ’74/’75 Recordings』

エリック・クラプトンの『461 Ocean Boulevard』『There’s One In Every Crowd(安息の地を求めて)』『E.C. Was Here(エリック・クラプトン・ライヴ)』にボーナス・トラックや未発表曲を加えた、5CD+1ブルーレイのボックス・セット『Give Me Strength The ’74/’75 Recordings』が発売になりました。

この時期のクラプトンといえば、ドラッグやアルコール依存症によって音楽活動が停止しており、3年間の休養の後に発表されたシングル「I Shot The Sheriff」、アルバム『461 Ocean Boulevard』が共に全米1位と、復活を印象づけた時期になります。

本作の内容をザッと解説すると、Disc1は『461 Ocean Boulevard』に、ボーナス・トラック8曲が付属したもの。

ボーナス・トラックのうち、1988年の『Crossroads(アンソロジー)』、1999年の『Blues』、2004年の同作デラックス・エディションなどと被っている楽曲もありますが、「Getting Acquainted」「Getting Acquainted 2 (Too Late)」「Please Be With Me (Acoustic)」「Give Me Strength (Dobro 1)」の4曲が初出。

Disc2は『安息の地を求めて』に、ボーナス・トラック5曲と、シングル「Knockin’ on Heaven’s Door(天国への扉)」のAB面を収録。

こちらは『アンソロジー』と被っている楽曲を除くと、「Burial(埋葬)」「Fools Like Me」が初収録。

Disc3とDisc4が、もともと1枚組で6曲しか収録されていなかった『エリック・クラプトン・ライヴ』を大幅に拡張して、2枚組16曲にしたもの。

ただ大部分は、1983年の『Time Pieces Vol.II ‘Live’ In The Seventies』、1996年の『Crossroads 2 (Live In The Seventies)(アンソロジー2~ライヴ・イン・セヴンティーズ)』で発表済みのトラックで、Disc3の「Crossroads」「I Shot The Sheriff」「Layla(いとしのレイラ)」「Little Wing」のみが初登場となっています。

Disc5が、フレディ・キング『Burglar』へのゲスト参加で、フロリダ州マイアミのクライテリア・スタジオで行われたセッションを収録したもの。

こちらは「Boogie Funk」と「Gambling Woman Blues」フル・レンス・ヴァージョンが初収録となっています。

そしてブルーレイには、『461 Ocean Boulevard』『安息の地を求めて』のサラウンド・ミックスを収録。

ということで、全55曲中12トラックが初登場ということになりますが、これを多いと見るか少ないと見るかは意見の分かれるところでしょう。

まぁ正直、『Slowhand』の35周年アニヴァーサリー・エディションを出した後、70年代のもうひとつの代表作『461 Ocean Boulevard』もボックス・セットとしてリリースしたかったが、尺が足りなかったので『安息の地を求めて』『エリック・クラプトン・ライヴ』とコンパチしたという感じでしょうか。

とはいえ、名作『461 Ocean Boulevard』に、レゲエへ傾倒してジャマイカでレコーディングされた『安息の地を求めて』、ステージで延々とギター・ソロを弾き続ける『エリック・クラプトン・ライヴ』と、クラプトンの一番渋い時期の作品群ではあるので、改めて最新のリマスターで聴き直してみるのも面白いのではないでしょうか。

Britney Spears『Britney Jean』

ブリトニー・スピアーズが8作目となる『Britney Jean』をリリースしました。

ブリトニーといえば、一時はドラッグ絡みのスキャンダラスな時期もありましたが、2008年の『Circus』で人気も回復して、女性アーティストとしてはバーブラ・ストライサンドマドンナに続き、マライア・キャリージャネット・ジャクソンと並んで全米No.1アルバムを持つアーティストとなりました。

今作では、プロデューサーにウィリアム・オービットウィル・アイ・アムデヴィッド・ゲッタなど、多数のビッグ・ネームを起用しており、豪華さが目立ちますね。

前作『Femme Fatale』は、かなりEDMを前面に押し出した作品でしたが、今回は少し振り幅を戻してバランスを取った感じでしょうか。

シングル・カットが「Work B**ch」「Perfume」と、違った方向性の曲だったためイメージが湧きにくいところでしたが、アルバムの方もそのままバラエティに富んだ楽曲が並んでいるという印象です。

ポップでメロディックな曲が多いので、安心して聴ける1枚というところではないでしょうか。

Black Sabbath『Live… Gathered in Their Masses』

オジー・オズボーントニー・アイオミギーザー・バトラーの3人で再始動したブラック・サバスが、2013/4/29〜5/1にメルボルンのロッド・レーバー・アリーナで行ったライヴを『Live… Gathered in Their Masses』としてリリースしました。

タイミングとしては『13』発売前になりますが、もちろん新作からの楽曲もセットリストに含まれており、新旧織り交ぜた構成を楽しめるようになっています。

ステージの方はあまり凝った仕掛けなどはなく、純粋にバンドの演奏を楽しむような演出ですが、やはり1曲目の「War Pigs」のイントロが流れだすと感慨深いものがありますね。

ちなみにオープニングで、エアロスミススティーヴン・タイラージョー・ペリーが仲良く並んで座っているシーンが映りますが、こちらも別の意味で安心感を与えてくれたりします。

収録曲も、代表作である『Black Sabbath(黒い安息日)』『Paranoid』と、『13』からの楽曲が多めで、後はバランス良く配置されているので、それなりに納得できる並びではないでしょうか。

代表曲を中心に選曲すると、どうしても1998年の『Reunion』と似た構成にはなりますが、まぁあれから15年経って、今度は映像作品としてリリースされたというところで、今作は意義ある作品だろうと思います。

Jimi Hendrix『Here My Train A Comin’』『Miami Pop Festival』

ジミ・ヘンドリックスの歴史を綴ったドキュメンタリー作品『Here My Train A Comin’』と、1968年5月28日にガルフストリーム・パークで行われた『Miami Pop Festival』の音源がリリースされました。

『Here My Train A Comin’』では、当時のジミの歩みや心境などが細かく描写されており、ヒストリーものとしてはかなり分かりやすく解説されています。

当初はジミの音楽が理解されず、英国から米国を経てのヒットとなった経緯や、ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス解散後の目まぐるしくバンド・メンバーが入れ替わる展開など、なぜそうなったのかが把握しやすい作品になっていますね。

また本作にはスペシャル・フィーチャーズとして、前述のマイアミ・ポップ・フェスティヴァル、1970年7月17日のニューヨーク・ポップ・フェスティヴァル、1970年9月6日のラヴ&ピース・フェスティヴァル、1967年3月30日のトップ・オブ・ザ・ポップス出演時の映像が収録されています。

特に注目なのは、映像や音声の状態が良くないですが、ジミ最後のライヴとなったラヴ&ピース・フェスティヴァルの映像が出てきたのが興味深いところです。

また、映像ではマイアミ・ポップ・フェスティヴァルは4曲だけしか収録されていませんが、『Miami Pop Festival』の方ではコンサートの全容が把握できる程度に曲数が揃っています。

音源だけ聴いていると、パフォーマンスの出来はまぁまぁかと思っていましたが、『Here My Train A Comin’』を視聴してから聴くと、当時のジミの置かれていた状況などがよく分かって、より理解しやすいのではないでしょうか。

ジミヘン初心者でも、今作を観ると当時の状況が分かりやすいので、取っ掛かりにちょうど良さそうです。

Kelly Clarkson『Wrapped In Red』

ケリー・クラークソンが、自身初となるクリスマス・アルバム『Wrapped In Red』をリリースしました。

2013年もクリスマス・アルバムのリリース・ラッシュに入り、ケリー以外にもメアリー・J・ブライジレオナ・ルイステイマー・ブラクストンと、ディーヴァ系アーティストが名を連ねていますが、セールス的には今のところケリーが一歩抜き出た感じでしょうか。

ケリー・クラークソンといえば非常に力強い歌声が特徴なので、クリスマス・アルバムはどうするのかと思っていましたが、そのままのイメージでけっこう力強い作品になっていますね。

また収録曲はスタンダード・ナンバーだけでなく、ケリー自身の手によって書かれた楽曲も5曲含まれています。

リード・シングル「Underneath the Tree」は、アップテンポのノリと、キャッチーなメロディで、マライア・キャリーの「All I Want For Christmas Is You(恋人たちのクリスマス)」の座を狙いに来た感じでしょうか。

他にも、リーバ・マッキンタイアトリーシャ・イヤウッドとカントリー界の大御所2人をゲストに迎え、美しい3声コーラスを聴かせてくれている「Silent Night」あたりも面白いところですね。

まぁクリスマス・アルバムというと地味な印象になり、駄作も少なくないわけですが、今作はそれなりにポップで聴ける1枚なのではないでしょうか。

The Beatles『On Air – Live At The BBC Volume 2』

1994年にリリースされた、ザ・ビートルズの『Live At The BBC』に続く第2弾として、『On Air – Live At The BBC Volume 2』が11月11日に解禁となりました。

『Live At The BBC』は当時、ビートルズ名義では未発表だったレノン=マッカートニー作「I’ll Be On My Way」を含んでいたり、25年ぶりのシングル「Baby It’s You」がリリースされたことでたいへん話題になりました。

今作のウリになっているのが、未発表のカバー曲「I’m Talking About You」「Beautiful Dreamer」ということでちょっとインパクト弱めですが、まぁさすがに蔵出し音源にも限界もあるので仕方ないところでしょう。

全体的なテイストは前作と変わらず、英国BBC放送でのスタジオ・ライヴを集めた音源なので、基本的にはオリジナル・アルバムを聴き込んだ人が、ライヴ・バージョンとの違いを楽しむといった作品かと思います。

今作の感想としては、収録曲の並びが割と時系列に沿った形になっていて、曲順通りに聴いていると段々とメンバーの演奏が磨かれていくのがわかるのが面白いですね。

DISC2に入って「Money (That’s What I Want)」「I Want to Hold Your Hand(抱きしめたい)」あたりになってくると、グルーヴ感が抜群になってきて、ビートルズが当時高い演奏力を持ったライヴ・バンドだったことを改めて再認識させられます。

あとラストの「I Feel Fine (studio out-take)」では、イントロのフィード・バックがうまく出せずに、スタジオで苦心しているのが微笑ましいところですね。

ちなみに今作の発売を機に、1作目の『Live At The BBC』もリマスターされ、新たに「What Is It, George?」「From Us To You (Closing)」という会話トラックも追加されているので、未聴の人はセットで聴いてみると良いのではないでしょうか。

Avril Lavigne『Avril Lavigne』

アヴリル・ラヴィーンが5作目にして、自身の名を冠した『Avril Lavigne』をリリースしました。

前作『Goodbye Lullaby』では、ややメロウな方向性の作品となっていましたが、今作では「Here’s To Never Growing Up」「Rock N Roll」といったシングルを打ち出して、やや初期のイメージに戻した感じでしょうか。

他にアルバムの聴きどころとしては、旦那のチャド・クルーガー(ニッケルバック)と共演した3rdシングル「Let Me Go」や、マリリン・マンソンと共演した「Bad Girl」、日本語を歌詞に取り入れた「Hello Kitty」あたり。

企画ものの曲を所々挟むので、アルバムの統一感は少しバラけた感じですが、まぁ順当な流れでできた作品という印象です。

デビュー当時のおバカなポップロックが好きだった人が、10歳ほど年をとって、今ちょうど合うような音楽というところにターゲットが当てられているような感じですね。

あとアヴリルはソニー系アーティストということで、「Rock N Roll」のPVの中でXPERIAをゴリ押ししてるのは、さすがに苦笑してしまいますが。

Lady Gaga『ARTPOP』

レディー・ガガが、『Born This Way』から2年半という短めのスパンでニュー・アルバム『ARTPOP』をリリースしました。

2013年前半にはツアー中に股関節唇損傷で手術を受けるというハプニングもありましたが、9月に行われたiTunes Festival 2013では新作から7曲を披露するパフォーマンスも見せてくれていました。

アルバムの印象としては、「Aura」「Venus」など前半数曲がやや複雑な構成で難解な印象を受けますが、後半にキャッチーな楽曲が並んでいる感じでしょうか。

先行シングルとしてリリースされた「Applause」「Do What U Want」などはポップな感じですが、他にもウィル・アイ・アムデヴィッド・ゲッタが参加した「Fashion!」や、RedOneが参加している「Gypsy」あたりも聴き心地の良いナンバーとなっています。

それと今作のデラックス・エディションには、前述のiTunes Festival 2013でのライヴがフル収録と、日本盤限定でインタビュー映像が収録されています。

iTunes Festival 2013の方は、1曲ごとに衣装チェンジに時間がかかったりとテンポの悪さが気になりますが、新曲のステージ・パフォーマンスを楽しめるのは面白いところですね。

ちなみにガガといえば、「Applause」のPVや、V MAGAZINEでのヌード撮影が話題になりましたが、今作のブックレットも全部フルヌードで撮影されていたりします。