Rhino UKのボックスセット

3月頃にマドンナのワーナー時代のアルバム、11枚組ボックスセットが3,000円台で発売になったことが話題になりましたが、その後に他のアーティストでも発売されていました。

ということで、おそらくこのシリーズ(?)と思われるものをまとめてみました。

Madonna『The Complete Studio Albums (1983-2008)

マドンナの『MDNA』発売と同時期にリリースされたボックスセットで、デビュー作『Madonna(バーニング・アップ)』から『Hard Candy』までのオリジナル・アルバム11枚を収録。

スタジオ・アルバム限定なので、サントラ扱いの『I’m Breathless』『Evita』などが省かれていたり、シングルのみでリリースされた楽曲は含まれていません。

マドンナといえば、2nd『Like A Virgin』が代表作のように思っている人も多いでしょうが、それより90年代~2000年代前半に傑作を連発しているので、そういった作品を追っていくのも面白いでしょう。

惜しむらくは、ヒット・シングルで収録されていないものも多いことですね。

Green Day『The Studio Albums 1990-2009

¡Uno!』『¡Dos!』『¡Tre!』の発売に合わせて、グリーン・デイの過去作を8枚組ボックスセットとしてリリース。

インディーズ時代の作品を集めた『1,039/Smoothed Out Slappy Hours』から、『21st Century Breakdown』までを収録。

初期の代表作『Dookie』も良いですが、反戦や危機をテーマにしたコンセプト・アルバム『American Idiot』『21st Century Breakdown』といった復活作にも注目です。

Chicago『The Studio Albums 1969-1978

1969年にデビューして現在も活動しているシカゴの、1st『Chicago Transit Authority(シカゴの軌跡)』から『Hot Streets』まで10作を収録。

ちなみにシカゴのアルバムは連番が振られていることでお馴染みですが、4と9が含まれていないのはそれぞれライヴ盤『Chicago At Carnegie Hall』とベスト盤『Chicago’s Greatest Hits(偉大なる星条旗)』だから。

「Hard To Say I’m Sorry(素直になれなくて)」「Look Away」といったバラード路線に移行する前の作品群ですが、「25 Or 6 To 4(長い夜)」収録の『Chicago(シカゴと23の誓い)』や、「Saturday In The Park」収録の『Chicago V』といったブラス・ロック時代の作品は、逆に新鮮に聴こえるかもしれませんね。

Joni Mitchell『The Studio Albums 1968-1979

デビュー作『Song To A Seagull(ジョニ・ミッチェル)』から、『Mingus』までの10枚を収録。

ジョニ・ミッチェルといえば、社会的なメッセージを歌うフォーク・シンガーというイメージも強いでしょうが、70年代後半にはジャズ/フュージョン系のアーティストをバックに、実験的な作品を次々にリリースしています。

ラリー・カールトンジャコ・パストリアスウェイン・ショーターハービー・ハンコックなどが参加した、『Hejira(逃避行)』『Don Juan’s Reckless Daughter(ドンファンのじゃじゃ馬娘)』『Mingus』あたりを聴くと、あまりの変化に驚くのではないでしょうか。

Van Halen『The Studio Albums 1978-1984

ヴァン・ヘイレンのギタリスト、エディ・ヴァン・ヘイレンのライト・ハンド奏法を駆使した「Eruption(暗闇の爆撃)」が印象的な『Van Halen(炎の導火線)』から、「Jump」「Panama」といった代表作を含む『1984』までの6枚を収録。

いわゆる第1期デイヴィッド・リー・ロス時代をコンプリートした形で、「You Really Got Me」「Oh, Pretty Woman」といった名カバーや、初期の荒々しいバンド・サウンドを堪能できる作品群になっています。

惜しむらくはやはりその後のヴォーカリスト、サミー・ヘイガーゲイリー・シェローンの時代や、1996年にデイヴが一時復帰した際の音源がバッサリ切り捨てられたことでしょうか。

Eagles『The Studio Albums 1972-1979

デビュー曲であり最初のヒット曲でもある「Take It Easy」が収録された『Eagles(イーグルス・ファースト)』から、メンバー間の心が離れていく中で退廃感に包まれた作品となった『The Long Run』までの6枚を収録。

イーグルスといえば1994年に再結成して現在も活動中ですが、本ボックスに含まれるのはデビューから1982年に解散するまでのオリジナル・アルバム全作ということになります。

デビュー直後はウエスト・コースト・サウンドに包まれた爽やかな音楽性でしたが、代表作『Hotel California』ではアメリカ社会に漂う閉塞感をテーマに、サウンドもハード・ロック寄りに変化していったところは注目です。

ZZ Top『The Complete Studio Albums (1970-1990)

デビュー作『ZZ Top’s First Album』から、ワーナー時代の最後の作品『Recycler』までの10枚をパッケージ。

ZZトップは日本ではイマイチ人気がありませんが、80年代のMTVブームの際には、ヒゲ、バイク、美女が登場するPVでインパクトを与えたバンドです。

基本的にはデビュー当時から、現在まで音楽のスタイルは一貫しており、武骨なブルース・ロックを貫き通す姿勢が、アメリカのトラック野郎にウケたのでしょう。

Deep Purple『The Complete Albums 1970-1976

ディープ・パープルの人気を決定付けた、いわゆる第2期〜第3期の作品を中心に構成。

このシリーズでは珍しく、『Made In Japan』『Made In Europe』といったライヴ盤も含まれており、またリッチー・ブラックモア脱退後のスタジオ作『Come Taste The Band』まで収録されている。

「Smoke On The Water」「Highway Star」「Burn(紫の炎)」など耳染みのある楽曲揃いなので、非常に聴きやすいボックス・セットではないでしょうか。

Rush『The Studio Albums 1989-2007

ラッシュのワーナー期のスタジオ・アルバム、『Presto』から『Snakes & Arrows』までの7枚をコンプリートしたボックス・セット。

2013年にはロックの殿堂入りを果たすぐらい世界的には評価の高いバンドですが、日本での人気はイマイチな感じでしょうか。

メンバー3人とも超絶技巧の演奏力で、90年代のオルタナ系バンドへ大きく影響を与えたグループです。

Ultravox『The Albums 1980-2012

タイトルが少し変わっていますが、ミッジ・ユーロ在籍時のウルトラヴォックスのスタジオ盤とライヴ盤を合わせた全作品がコンプリートされています。

ミッジ・ユーロが関わっているのは、3作目『Vienna』から8作目『U-VOX』までと、2010年のライヴ盤『Return To Eden』で再加入して、2012年のスタジオ・アルバム『Brilliant』にも参加。

80年代前半のイギリスで、デュラン・デュランカルチャー・クラブと共に、ニューロマンティックの一時代を築いたバンドの一角ではあります。

Ramones『The Sire Years 1976-1981

これをこのシリーズに含めるかどうかは微妙なところですが、同じRhinoから出ている低価格ボックスということで、ラモーンズのデビュー作『Ramones(ラモーンズの激情)』から6thアルバム『Pleasant Dreams』までのセットです。

ラモーンズを象徴する曲「Blitzkrieg Bop」が収録されている『ラモーンズの激情』や、キャリアのピークとなった『End Of The Century』など、主要な作品はひと通り含まれているので、まぁ良しとする感じでしょうか。

ちなみにダウンロード版では、1989年の『Brain Drain』までをセットにした『The Sire Years 1976-1989』もリリースされているので、全部揃えたい人はこちらを選んでも良いでしょう。

Ry Cooder『1970-1987

ライ・クーダーのワーナー期のソロ名義のアルバム、『Ry Cooder(ライ・クーダー・ファースト)』から『Get Rhythm』まで11枚セットになっています。

ライ・クーダーといえば、1997年に『Buena Vista Social Club』というヒット作を生み出しますが、それまではミュージシャンズ・ミュージシャンとして同じ音楽家からリスペクトされる存在でした。

世界のルーツ・ミュージックを非常に聴きやすく、ロック/ポップスの範疇でまとめ上げた作品群は、今聴いても色褪せていません。

Yes『The Studio Albums 1969-1987

イエスのデビュー作『Yes(イエス・ファースト・アルバム)』から『Big Generator』までの13枚セット。

イエスは70年代に『Fragile(こわれもの)』、80年代に『90125(ロンリー・ハート)』と2度ピークを迎えるバンドですが、それらの作品群どちらも含まれているので、彼らのヒストリーを知るにはちょうど良いボックスセットではないでしょうか。

また本ボックスは、2000年代前半のリマスター時に追加収録されたボーナス・トラックが含まれているバージョンになっています。

Maná『The Studio Albums 1990-2011

日本ではほぼ知名度がありませんが、ビルボードのラテン・チャートではヒット曲が多数あるメキシコのバンド、マナーのボックス・セット。

彼らは1987年に『Maná』でデビューしていますが、レーベルの違いで本作は2nd『Falta Amor』から、現在の最新作である『Drama y Luz』までが収録されており、スタジオ・アルバムと銘打ってありますが、例外的にライヴ盤『MTV Unplugged』も含まれています。

コッテリとしたラテンの情熱的な音楽を、ポップにまとめ上げた彼らのサウンドは聴きやすく、このジャンルにハマる人もいるのではないでしょうか。

Little Feat『Rad Gumbo: The Complete Warner Bros. Years 1971-to-1990

デビュー作『Little Feat(リトル・フィート・ファースト)』から、ローウェル・ジョージ時代の最後の作品『Down On The Farm』、解散後に発売された未発表トラック集『Hoy-Hoy!(軌跡)』、さらに再結成後の『Let It Roll』『Representing The Mambo』に加え、2000年に発売された4枚組ボックス『Hotcakes & Outtakes』から未発表トラックを抜粋したディスクを含めた13枚組。

リトル・フィートといえば、ローウェル・ジョージのイメージが強く、代表作『Dixie Chicken』のようなサザン・ロックのバンドという印象を持っている人も多いかと思いますが、70年代後半からはフュージョン色も強くなっていきます。

ヒット作こそありませんが、ミュージシャンズ・ミュージシャンとして評価されているバンドなので、一聴してみても面白いのではないでしょうか。

UFO『The Complete Studio Albums 1974-1986

UFOのデビューは1970年ですが、ここではマイケル・シェンカー加入後の3rd『Phenomenon(現象)』から、2度目の解散となった『Misdemeanor』までの10枚セットになっています。

UFOといえば、解散・再結成、マイケル・シェンカーの脱退・再加入を繰り返しながら今も活動しているバンドですが、ヒット作は70年代に集中しており、代表作『Lights Out(新たなる殺意)』『Obsession(宇宙征服)』あたりが押さえられているので、まぁちょうど良いボックス・セットではあります。

哀愁を帯びたギター・ソロにはファンも多く、その後80年代のHR/HMブームにつながっていくサウンドは、聴いていてなるほどと納得させられますね。

Saxon『The Complete Albums 1979-1988

70年代後半のNWOBHMに乗って登場した、サクソンのデビュー・アルバム『Saxon』から1988年の『Destiny』までの10枚組になっています。

日本や米国ではヒットしませんでしたが、本国イギリスではコアなファンに支えられながら現在も活動中で、本ボックスでは全盛期の80年代前半もバッチリ押さえられています。

初期の頃にバイクをテーマにした歌詞が多かったことから、ライダーに愛されるバンドで、ツーリング時のBGMに良いかもしれませんね。

The Stranglers『Giants And Gems: An Album Collection

70年代ロンドンのパンク・ムーブメントの中で登場した、ザ・ストラングラーズの1st『Rattus Norvegicus(夜獣の館)』から、1981年の『La Folie(狂人館)』までのスタジオ・アルバムと、ライヴ盤『Live (X Cert)』『Live At The Hope And Anchor』、アルバム未収録曲集『Off The Beaten Track』、さらに2006年『Suite XVI』、2012年『Giants』とスタジオ・アルバム最新作がセットになったボックスです。

日本ではデビュー当時のパンクのイメージが強いバンドですが、本国イギリスでは80年代以降のシンセ・サウンドを中心としたニュー・ウェーヴ時代の方が人気が出ており、レーベルが違うせいもあるのでしょうが、その時代がバッサリ切り捨てられているのがちょっと残念ですね。

とはいえ1979年の『The Raven』以降、徐々に変化していくサウンドを知るには十分なボックス・セットではないでしょうか。

Black Sabbath『The Complete Albums 1970-1978

ブラック・サバスのデビュー作『Black Sabbath(黒い安息日)』から『Never Say Die!』まで、スタジオ・アルバム8作を収録。

サバスといえば、やはりオジー・オズボーン在籍時の作品が人気で、オリジナル・ラインナップのスタジオ・アルバムをひと通り聴くことができるようになっています。

ヘヴィ・メタルの元祖と言われるバンドで、徹底した悪魔的なコンセプトで作られた作品群は、今聴いても独特な輝きを放っていますね。

Bee Gees『The Warner Bros. Years 1987-1991

バリーロビン、モーリスのギブ三兄弟のボーカル・グループ、ビー・ジーズのワーナー期の作品『E.S.P.』『One』『High Civilization』と、映像作品『One For All Tour(グレイテスト・ヒッツ・ライブ)』をCD化した『”One For All” Concert』がセットになったもの。

ビー・ジーズといえば、60年代のフォーク時代、70年代のディスコ・サウンドと、2度ピークを向かえたグループですが、そのどちらでもない時代がボックス・セットになっています。

とはいえ、80年代以降も英国では人気を保持したまま、No.1曲「You Win Again」を収録した『E.S.P.』は大ヒットしており、『”One For All” Concert』ではヒット曲満載のセット・リストなので、聴きどころは多いのではないでしょうか。

Dream Theater『The Studio Albums 1992-2011

上記のラッシュに強く影響を受けて、プログレッシヴ・メタルというジャンルを確立したドリーム・シアターの、2nd『Images And Words』から11th『A Dramatic Turn Of Events』までのスタジオ作。

1st『When Dream And Day Unite』はセールス的に失敗作となりましたが、唯一日本でのみチャート・インしたぐらい日本での人気も高いバンドです。

コンセプト・アルバムや組曲風の楽曲が多いので、1作1作じっくり聴いていくのも面白いのではないでしょうか。

Herbie Hancock『The Warner Bros. Years (1969-1972)

フュージョンを代表するアーティスト、ハービー・ハンコックがワーナー時代に発表した3作、『Fat Albert Rotunda』『Mwandishi』『Crossings』をボックス化したもの。

時期的にはジャズからフュージョンへと変わっていく頃ですが、ジャズ時代の代表作1965年『Maiden Voyage(処女航海)』と、フュージョン時代の代表作1973年『Head Hunters』の間に発表された作品群なので、ややインパクトが弱いセットでしょうか。

このシリーズでは珍しくブックレットまで付いているので、英文の解説と共に彼の実験作を楽しむのもオツかもしれませんね。

Ry Cooder『Soundtracks

ライ・クーダーは80年代以降に数々の映画音楽を手がけており、上記の『1970-1987』には収録されなかったサントラを集めたボックスセットになっています。

彼のサントラ作としては評価の高い『Paris, Texas』や、ウォルター・ヒル監督との作品群『The Long Riders』『Crossroads』『Blue City』(ウォルター・ヒルは脚本)『Johnny Handsome』『Trespass』など、7作を収録。

ワーナー発売作がすべて収録されているわけではないですが、まぁ『1970-1987』と合わせて聴くと大部分を押さえることができるのではないでしょうか。

Foreigner『The Complete Atlantic Studio Albums 1977-1991

1977年にデビューし、次々と大ヒット作を連発したことで産業ロックと揶揄されることも多いフォリナーですが、本ボックスにはデビュー作『Foreigner(栄光の旅立ち)』から『Unusual Heat』までを収録。

代表作『4』以降のバラードのイメージが強い彼らですが、初期の頃はアメリカン・ハード・ロックを前面に押し出していたこともあり、その流れを順番に追えるのは面白いのではないでしょうか。

90年代に入るとすっかりシーンから姿を消しましたが、バンド自体は現在も活動中で積極的にツアーを行っており、たまに来日したりもしています。

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