George Harrison『Living In The Material World』

2001年に亡くなった、元ビートルズジョージ・ハリスンのドキュメンタリー映画『Living In The Material World(ジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド)』が発売になりました。

監督は音楽映画の作品も多いマーティン・スコセッシで、生前のジョージの映像や関係者へのインタビューを交え、彼の人物像を追った内容となっています。

本編は約3時間30分と長編映画になっており、DVD版は2枚組、ブルーレイ版は1枚に収録。

ボックス・セットのコレクターズ・エディションでは、両方のバージョンと、未発表トラックが収録されたCDが付属された形で販売されています。

本編の前半部分、Part 1ではデビュー前にビートルズの前身クオリーメン時代から、ビートルズの後期『The Beatles(ホワイト・アルバム)』あたりまでを収録。

ここではどちらかというと、ジョージに焦点を絞った内容というよりかは、ビートルズ全体を捉えた感じでしょうか。

まだソング・ライターとして開花する前でもありますし、ステージでもあまりスポット・ライトが当たらない時期だけに、素材自体が少なかったのかもしれません。

後半のPart 2になると、「While My Guitar Gently Weeps」「Something」「Here Comes The Sun」といった名曲を生み出した後期ビートルズ時代を経て、いよいよソロ活動に突入。

インタビュー映像の中には、『All Things Must Pass』でプロデュースを務めたフィル・スペクターも登場しているのが、ちょっと驚きました。

またジョージのソロ作品といえば『All Things Must Pass』や『The Concert For Bangla Desh(バングラデシュ・コンサート)』の時代か、トラベリング・ウィルベリーズでの活動がよく取り上げられますが、今作ではその間の70年代後半〜80年代前半のエピソードも多く含まれているのは嬉しいところです。

ただちょっと気になったのは、権利がクリアできなかったのか、作中の挿入歌としてダーク・ホース・レコードの音源が一切かからなかったこと。

ジョン・レノンの死について触れているシーンで「All Those Years Ago(過ぎ去りし日々)」についての言及が無かったり、80年代のカムバックのきっかけとなった『Cloud Nine』、17年ぶりのツアーとなった『Live In Japan』が無視されているのは、ちょっと違和感を感じましたね。

それとコレクターズ・エディション付属のCD収録曲は、すべて未発表曲、未発表トラックとなっていますが、基本的にはデモ・バージョンなので、ギター弾き語りか、シンプルなバンド形態で録音されたものばかりです。

まぁジョージの蔵出し音源がまだ残っていたのは、ファンとしては嬉しいところです。

映画を通して観ると、出演者が口を揃えて言うのが、ジョージの人柄の良さと交友関係の広さ、それとユーモアのセンスが光っていたことが目立ちますね。

もちろん本作は、すでにある程度ジョージ・ハリスンについての予備知識がある、ビートルマニア向けの映画であることは間違いないでしょうが。

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